今回札幌市の公園の設計をしていて、緑化率だけでなく樹林率というものまで求められることを初めて知りました。
風致地区ではありません。
居住系市街地の都市公園です。
樹林率とは簡単に言えば木陰の面積をイメージしてもらえればいいかと思います。
なぜそこに根拠を求めるようになったか。
お役人さんの苦しい胸の内がそこにはあります。
公園をリニューアルするときに既存の樹を残すべきか伐採するべきか。
伐っても残しても市民からクレームを受ける中で、何とか説得するだけのエビデンスが欲しかったというのが正直なところだと思います。
間違ったことを言っているわけではないので求められればしっかり資料つくりますが、問題なのは与えられる手引きの中の植物に関するデータがどうもズレてるんですね。
要は将来的な木の成長を見越して樹林率というのを算出するのですが、実際に木を植えたり長く見続けている人間からするとこの木はこんな成長しないなーという記述も結構あります。
その基データがズレていれば、それを使って算出された樹林率にはどれほどの信憑性があるのだろうかと少し穿った見方をしてしまいます。
去年携わった東京の認定こども園の設計では、これまた東京都独自の環境局から出されている緑化に関する手引きがあって、数年もすれば間引かないととてもではないけど健全に成長できない、ものすごい本数の植栽を求められました。
環境に配慮するとか、緑を見直すという姿勢は評価しますが、そこには植物に対する正しい知識があってこそのものだと思います。
植物に対する正しい知識は机の上では身に付きません。
土に手突っ込まないと。
なんか膨大な書類に追われ、ちょっと愚痴っぽくなりました(笑)
