近年では開発行為に対して社会的道義や環境負荷低減への努力が求められます。
そうあるべきだと思います。
我々植物を扱う人間は、ルールにしなくてもそこへの配慮の意識が高い人間が多いのではないかと思います。
植物というところでは、環境配慮への技術の一つに屋上緑化、壁面緑化があります。
元々土のあるレベルでないところに植栽基盤を設けて植栽するというものです。
都市型緑化の代表になりますが、この技術、地域性や気候条件に大きく影響を受けます。
特に北国ではかなり慎重なプランが求められます。
植物を守るというのは、地上部に意識が行きがちかもしれませんが、大切なのは根を守ることです。
北国の植物の大きな試練は越冬することです。
その一冬越す間、どれだけ根を守れるか。
そこには土量と積雪量が大きく関係します。
根の周りに充分な土があれば、そこにしっかり雪が積もってしまえば、例え地上部が猛吹雪でも根は守られます。
ところが屋上緑化はまだしも、壁面緑化ではその土量、積雪量どちらも期待できないんですね。
去年から設計に携わっている商業ビルでも壁面緑化を求められています。
そこは地上10m、しかも北面。

元請けのスーパーゼネコンの設計担当者は東京から来ます。
この北国の地域性と東京で膨らむ夢をどう擦り合わせるか。
なかなか簡単ではありません。