前回の投稿でリデュース、リユース、リサイクルの3Rについて書きました。
その流れで昔から考えていることの一つに土のリサイクルがあります。
もちろん農家さんは連作障害を避けるために転作したり天地返ししたり土を再利用するという工夫をずっとしてきた訳ですが、そうした生産の場以外、例えば造成工事、緑化事業、土木工事、造園工事なんかで土を再利用するということはメジャーではありません。
残土を盛土の下地に使ったりということはありますが、これから新しいものを植える場所にリサイクルした土をというのはどうも基本的に無しという風潮を感じます。
昨年長いお付き合いの生産者の圃場で堆積された山を見つけ、何かと聞くと苗の生産の中で苗床や鉢の植え替えの際に出た土で使う予定のないものだと言います。
見ると多少の根やゴミが混ざっているものの排水、保水、保肥、すべてにおいて良い土であることは間違いありませんでした。
もちろん土中というのは様々な微生物や、時には悪さするウィルスが入り込むこともあります。
しかし毎日きちんと管理されてその生産工程の中で出た土に、そこまで悪いものが入り込んでいることは考えづらいです。
長くお付き合いさせていただいている法人のお庭。
ただの黒土だった築山に先程の土を生産者から譲り受け表面に覆土したところ、それまで灌水すると表面を流れ落ちていた水がその場で保水され、ゆっくり土中に浸透してゆくようになりました。
そのおかげで法面に植えた草花も明らかに生育が良く、樹木までも調子良くなったように感じます。
公共の場ではいちいち数値で示せだのエビデンスだのハードルがありますが、民間であればクライアントと信頼関係が築けていれば再利用も充分可能です。
土のリサイクル。
可能性を感じています。