前回の投稿の続きになりますが、樹木はどこから来るのか。
大きくは2つに分けられます。
一つは前回お伝えした生産者さんが育て管理したもの。
もう一つが’山採り’ と我々は呼びますが山に自生している木を掘り上げたもの。
山採りには山採りならではの魅力があります。
山の中では、大きく育った樹木に囲まれた中に種が落ち育つため、頭上の光を求めてスラリと伸びた下枝が少なくしなやかな印象の樹形になりやすいです。
当然、より本来の自然の姿に近づけたい場面では馴染みやすい貴重な素材となります。
一方生産者さんが圃場で育て管理した樹木は、四方に枝が張り下枝も充実した整った形に仕上げられ、同じ環境で育った規格の近い樹木を複数揃えたいときには山採りという訳にはいきません。
もう一つ大きく違うところは生産者さんが育てた樹木は根を時々切りながら管理されるという点。
それはいつでも出荷できるようにという意味もありますが、何より植え込んだ後の活着率が格段に上がります。
根を切ることでそこから新しい根が伸びます。
その細根と呼ばれる新しい根が、植え込まれた先の土壌から養分水分を吸い上げ、新たな環境に適応することに大きく寄与します。
山採りする場合、掘り上げて一気に植え込むのはかなりリスクがあります。
そのリスクを避ける為には一年前から根回しという移植のための準備が必要になりますが、理解を得ながらそれだけ工程にもゆとりを持たせることは簡単ではありません。
仕事のクオリティをあるレベル以上にコンスタントに維持するためには、生産者さんの存在が欠かせないんですね。