学生時代は建築を専攻していましたが、卒業して一度は建築の会社に入社したものの植物の世界に転身して今に至ります。
ですので植物の勉強を始めたのは北海道に来てから。
生まれ育った愛知県をはじめ、年中ほとんど雪の降らないところに育つ植物に関しては今一生懸命勉強している段階です。
時々本州のプロジェクトに携わるようになり機会あれば本州に出向いて植物を見るようにしているのですが、次第に違いを直感的に感じるようになってきた気がします。
一言で言えばオフがあるかないか。
北海道には常緑のいわゆる照葉樹というものは数えるほどしかありません。
同じ植物でも、たとえばアイビーやアガヴェ(アガヴェは屋内でないと北海道では越冬もできませんが)など北海道で見るものと本州で見るものはその大きさ、色の濃さ、葉の肉厚全て別次元です。
オフがなければ常に活動し続けるわけで、その中で積み上げられる逞しさなのでしょう。
しかし雪国では冬は植物も冬眠に入ります。年中活動する植物の半分程度しかオンの時間がありません。
東京での植栽風景。
確か3月、北海道ならまだ雪の残る時期だったと思います。
対して北海道の植栽風景。
自分の大好きな場所で長いお付き合いの仕事仲間でもある イコロの森 さんの様子。
どちらがいい悪いではなく、環境の違いから必然に生まれるものですが、このオフシーズンのある植物を表現する言葉として ’風にそよぐ’ と ’淡い色合い’ をよく自分は使います。
半年後にまた地上部を枯らすという、限られた時間の中での儚さのようなものがそういう雰囲気を出しているように感じます。
一方で紅葉やバラは寒暖差によりよりビビッドに発色します。
そして冬は一面真っ白に。
日本は美しい国ですね。