プランの中で樹木を移動するということは結構あります。
いわゆる移植です。
個人のお宅の場合は思い入れのある樹だからという理由が多いと思いますし、風致地区などでは規制もあります。
しかしそれだけでなく、やはり長い時間かかって初めて出る存在感や風格というものが既存樹にはあり、生産地から出されたばかりの樹はその点無難に整いすぎてる感が否めません。
その移植の最も上級レベルに当たるのが針葉樹の移植になります。
落葉樹は紅葉したり葉を落としたりして、自分で調整する力がいくらかあります。
針葉樹はないんですね。
移植はいわば樹木にとっては大手術。
根を切られ、昨日まで吸い上げれていた水が突然吸えなくなります。
それでも葉を落とせない常緑樹は上と下のバランスが取れません。
だからこそ適切なタイミングを見極めることと高い技術が求められます。
今の札幌のプンゲンストウヒの芽の様子です。
この芽が動くか動かないかのタイミングが移植には良いのですが、雪国では雪解け水でぬかるんでいて作業できないこともあると思えば突然グングン気温が上がる年もあり、そこに合わせて人を集め段取りするのはなかなかタフな仕事です。
このタイミングを逃せば次は秋まで動かせません。
でも植物が主役の仕事を選んだ者の醍醐味でもあります。
今年は例年より少し早そうですね。