先日施工したお庭の完成直後の様子です。
真正面にゴミステーションを置かせてあげるというところにも施主さんの人柄がよく出ているように感じます。
施工前はこんな感じでした。
ほとんど建物が見えないほど鬱蒼としており、お客さんも途方に暮れての相談でした。
今回ポイントになったのは法面をどう処理するかということでした。
コンクリートの擁壁をつくれば安心感はありますが、施工費もかさみますしクライアントからこの法面を活かした植栽で柔らかい空間をつくれないかという依頼でもありました。
今回立てた作戦は
①はびこっているササは薬剤によって根まで枯らし、地上部だけ刈取る。
根は土留めとして抜き取らず残す。
②法肩の既存の常緑樹はこのまま大きくなれば危険であることと絵的にもそぐわないということで地際伐採。これも同じように根は法肩が崩れないよう残す。
③法肩には新たに丈夫で花や葉色を楽しめる灌木を既存木の根の間を縫うように列植し、大きくなった時にその根が隠れるよう配置。
④法肩を灌木で押さえたその下には下垂するグランドカバーを使い、将来的には法面一面を土留めも兼ねて覆うように植え込む。
というものになります。
建物の壁面にはツル性草花を誘引していて、全体が形になるまで2~3年かかりますがひとつひとつが充実した先には植物に包まれた、それでいてローメンテナンスな庭になります。
環境環境という一方で、大規模宅地開発ではほとんど土のない、コンクリートやアスファルトで塗り固められた住宅が立ち並んでゆく現実があるのも事実です。
人も建物も地球も呼吸しなくては生きてゆけません。
塗り固めてしまっては窒息してしまいますね。
毎日暮らす空間が大きく深呼吸できる場所でありたいものです。