幹肌、葉のテクスチュアと共に季節を楽しむ樹の庭。

K邸

樹木というのは草花に比べると簡単には手を出せない、怖いというイメージがあると思います。
たしかに一度植えてしまえば草花のようには簡単に移動できないし、どこまで大きくなっていくのかもわからないとなると不安になる気持ちも分かります。
ですがガーデニングブーム以来『花』がメインになることも多くなりましたが、庭の骨格を作り、立体感を出し、その花を美しく引き立たせるのにも樹木は欠かせません。

是非ご相談ください。
木々の隙間からさす光に照らされる草花。
素敵だと思います。

H邸

道路との境界に灌木類(シモツケ、コデマリ、フイリベニウツギ)が植えられています。芝生広場の人目を遮りたいところにはバッファとしてH:2.5mのニオイヒバを列植します。

樹木には高木、(準高木)、中木、低木に加え灌木類があります。
これらの樹形と特質をうまく選ぶことで 見た目、癒し だけでなく実用的な機能(遮蔽、防音、仕切り等)として働きます。

右奥のシンボルツリー(プンゲンストウヒ実生)は見た目だけでなく、足元にあるレンガテラスに影を落とす役割も担っています。

N邸

建築の直線と植物の柔らかな線。
そのバランスは常に意識します。
建築と同時に設計を進めることで両者の関係をより緊密にすることができます。

樹木が大きくなるとその関係は対比でなく調和へとシフトし、お互いのラインを引き立て合います。

庭を立体的に魅せる。
自分の大切にしているテーマの一つです。

それには高木、中木、灌木、草花という形も大きさも違うものを一つの空間に組み合わせデザインすることで可能になります。
建築物とどう共生するかも大事なことであり、植物の本当の魅力は立体的に活かしてこそ十分に引き出されます。

つながりも大切です。
ランドスケープの世界では境界というものがありません。
全てつながっていくのです
個人の庭でもその考え方に変わりはありません。

となりの敷地の植生を景観としても生態系としてもつなげたデザインを追求します。
結果としてその意識が周りの景観に溶け込んだ落ち着いた空間を創ります。

外と内とのつながり、プライベートな空間とパブリックな空間とをどうつなげるか。
連続することで行動の範囲、意識の範囲が広がり、ライフスタイルと空間が時間の積み重ねとともに一つになってゆきます。

足元や敷地を明るく照らす庭園灯と下から照らし上げるスポットライト。
株立ちの樹形を美しく浮かび上がらせます。

建築のハードなシルエットと植物のソフトなシルエットの組み合わせがまた別の姿を楽しませてくれ、光の角度により様々な効果を生み、角度を調節して建物の壁面に投影すると昼間とはまるで違う幻想的な姿となります。

ライティングは景観をつくるとともに防犯の役割も担います。

タイマーにより留守の間も点灯、消灯することで安心感を得られます。

系統をいくつかに分け、家の中で操作可能なのも建築と一緒にデザインを進めたからこそ可能なことです。

玄関の扉を開けると正面に真っ先に飛び込んでくるのが正面のデッキをくりぬいて植えられたジューンベリー。

ビスタの効果により引き込まれるように見えるその景色は窓枠が額縁の一枚の絵のようでもあります。

その絵は季節とともに葉をつけ、花を付け、実をつけ、鳥を呼び、やがては冬の景色へと変化してい行きます。

道エネの森 ~定山渓~

常緑樹を組み合わせてつくるコニファーガーデンです。
特に雪のシーズンの長い北海道では冬でも緑を残し、そこに白い雪が積もる冬の景というのも設計する際の忘れてはいけないポイントです。

一口に常緑樹と言ってもヒバなのかトウヒなのかモミなのか。
緑葉なのか黄葉なのか銀葉なのか。
樹形から生長の早い遅いまで様々なものがあります。

落葉樹よりも環境への適応力が劣る常緑樹だからこそ適切な植栽環境と適切な植栽時期の判断が求められます。

O邸

庭づくりはお客様との共同作業です。
何よりも素晴らしいお客様に出会えることに感謝しています。

こちらのお宅は庭は庭でしっかり考えたいということで新築で建築を建てた後も外は手をつけずにじっくりと考えてくださっていました。
そのおかげで冬の間ゆっくりと会話して樹木にとって一番良い時期に施工することができました。

株立ちの樹木を多く植えた雑木の雰囲気を抜けるとそこにプライベートを確保された家族の空間がある。
それがこの庭のコンセプトです。

大きなウッドデッキと広すぎない芝生を用意し建物と連続することで、中と外との動線を自由なものへとしています。

奥にはキッチンから直接出られるところに菜園スペースを設け、奥のパーゴラにはブドウが絡みクラブアップルが植えられています。
お子さんと一緒に土に触れ、育てたものを食卓に並べる。

ただ見て眺めるだけの庭でなく、生活に溶け込み多くを感じ学ぶ場であってもらいたい。

建築の段階から庭づくりも意識されていたこちらのお施主さんは外部の照明のための電源も確保してくれていました。

タイマーにより自動的に夜間のみ点灯する照明は安全、防犯の効果も高く、白い外壁にはライティングに照らされ浮かび上がる樹木のシルエットがよく映えます。

お客様の思いとも、建築とも、すべてを繋げながら考えさせて頂けた素晴らしい出会いでした。

M邸
となりの区画とをつなげ広々としたお庭でした。
ただレベル差をうまく解消できずに既存の樹木も配植のバランスを失い傷みも進んでいました。
となりの建物が赤レンガのタイルであることもあり、補色である赤と樹々の緑とのコントラストを活かした森を提案しました。
植え込む樹木は在来種、紅葉、花木、常緑樹をテーマに、株立ちのものを多く使い風が通り抜けるイメージで。
活かせる既存樹木は配植し直し、傷みが進みバランスを失っている樹木は撤去しました。

レベル差をあえて活かして法面にはミヤギノハギやコトネアスターなど下垂して魅力が出るものを植え、土留めと管理手間を減らすことにも役立っています。
樹々や草花が充実して厚い緑をつくることで手前の広く平らな芝生の空間との対比が際立ち、お互いを引き立てあいます。

法面を上がれるよう階段をつけ通路を一本設けました。
このあと、その両脇にも多くの草花が植え込まれ樹木の足元を彩ってくれています。
扱いやすい平らな敷地が必ずしも良いとは限らず、起伏があったり癖があったりするからそれをうまく使えば逆に魅力を創出できるということがよくあります。
まづはその土地の今を読み解くこと、ランドスケープの大事な部分です。


法人S

札幌にある法人になります。
非常に大きな現場で打合せだけで1年半ほどかかりました。
組織が大きくなると多くの人が絡むこととなり、その意思の疎通、伝達
だけでもかなりの時間を費やします。
ましてやそれを一つの形にまとめるとなるとなかなかスッとはいきま
せん。

打合せに時間がかかった理由として建築工事との同時進行ということもありました。
大変な面も多いのですが自分はここから逃げたくない、むしろそうあるべきと考えています。
建物だけでもなく、植栽だけでもなく、互いを理解し引き立てあうからこそその街並みは魅力を増すのだと考えます。
それはスケールに関わらずあらゆる場面で考えられるべきではないでしょうか。

様々な調整をしながら、それでも絶対におろそかにしてはいけないのが植物にとっての環境になります。
特に建築と同時にデザインをするときには植え桝の形状、深さ、建物との距離、高さ、排水計画、様々なことを考えなくてはなりません。

こちらの雨の当たらない軒下の植栽には乾燥の強い植物を選び、植栽後の水やり管理をしてもらえるということを約束いただいてこの形にまとまりました。

この大きな築山は施主のたっての希望により実現しました。
限りある敷地の中でどう高さを表現できるか。
ただ高ければよいのではなく安全でなければなりませんし、植物が育たなければ意味がない。雨によって土が流される可能性もあるし北海道には雪がある。
転圧の仕方から樹木の選定、支柱のタイプまであらゆることを想定し計画に反映してゆきます。

建築と同時に考えるときに忘れてはならないのが建物の中からどう見えるのかということです。
計画時にはまだ建物はありません。
平面図と立面図程度の情報の中でどう3Dとしてイメージをし、そのイメージしたものをふたたび2次元の図面に落とすか。
樹木が大きく育っていったときの時間の流れも含めて、建物とのバランスを考え抜きます。

樹木で骨格をつくりますがその間を埋める灌木類や下草も大切なファクターになります。
むしろ建物の中からは足元の草花の方に目がいき樹木はそれを包み込む緑のカーテンのような存在になります。
その樹木が直射日光を遮ることで雑草の繁茂を抑え、さらに下草類をうまく使うことで雑草の侵入を防いだり目立たなくする。
それぞれが別々にあるのでなく一体的に計画されることで見た目だけでなくその後の管理にも大きく影響していきます。

植物だけでなく建築、ペイブメント、作工物、サインや前の道路に至るまですべてがあってランドスケープです。
ランドスケープデザインをするときに縦割りの発想ではできません。
あらゆるものを視野に入れながら、その中でベストミックスを探し求める。

時の流れとともにさらに魅力を増してゆくことを夢見て。