今回ご紹介する庭の相談は2区画ある土地の半分を現在の住居として使っているものの、残り半分はいづれお子さんが大きくなった時には隣に家を建てることも考えているもののまだ先の話だしどうしたものかというものでした。

施工前の写真がこちら

もう一つの要望として御覧の通り裏の通りへショートカットするのに最適な形となっており、自転車や歩行者で私有地を横切る人が後を絶たないということでした。
この形だとそうなりますよね。
治安としても良くないしということで相談をいただきました。

植物を扱ううえで何よりも大切な要素の一つに土の扱いというものがあります。
上物だけを飾ることに夢中で土の下を見ていなければ、施工直後にいくら立派なものができていてもその魅力は3年と持ちません。
この区画は火山レキで埋め戻されていました。
工事残土や石やガラも一緒に埋め戻されているようなことも多々ありますが火山レキであればいくらでも使いようはあります。
今回いづれお子さんが家を建てる可能性を考え大きな作工物をつくるのは避けました。
とにかく今住まわれている建物の窓から緑が見えること、通り抜けを防ぐこと、将来的なことを考え奥にバッファとして常緑樹を列植、土分を少し足し既存の火山レキと撹拌して土壌基盤とし、そのまま漉き込んでしまってもいいようにクローバーの種を蒔きました。

これが翌年の様子です。

窓から見える景色で部屋の中にいるときの気持ちも変わります。
今ではバラもニオイヒバも大きく育ちすっかり以前の無機質な空間ではなくなりました。

使い場所や場面は判断する必要がありますが、クローバーは安価で窒素を固定してくれる優れた性質もあり、一つの選択肢としては十分アリだと思います。
こちらの庭でもボーダーガーデンやバラとの境にはクローバーが侵食しないように縁切り材を施工してあります。

工夫と植物の力をうまく借りることで潤いのある生活を送ることは可能です!

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投稿者について

札幌市東区のOne & Nature。人(One) と 自然(Nature) をつなげるお手伝いができればとこの名前を付けました。個人の庭から街並景観まで、さまざまなライフスタイルに合わせて植物が身近にあり、そのたくましく育つ姿から力をもらえる。そんな空間づくりを目指します。