ある程度の広さが取れる植栽設計をする時、結構な割合で常緑樹を入れます。
程度はその場面と敷地の広さなどによって色々ですが結構な割合で。
常緑樹と言っても様々ですが、ここ北海道には照葉樹を含む、いわゆる常緑広葉樹というものは数えるほどしかありません。
必然的にここで常緑樹というとクリスマスツリーのような針葉樹や、その組み合わせで魅せるコニファーガーデンをイメージします。

単純に見た目も存在感も好きなんですが、きちんとした理由がいくつかあります。
株立の広葉樹で雑木のような庭をつくるのも好きですが、その一角に常緑樹が入るととたんに空間が締まります。
シンボルツリーとしてもランドマークとしても十分な存在感と鑑賞価値があります。

多くの園芸種、改良種があり葉色やテクスチュア、何十メートルの高木から地面を這うものまでその組み合わせは無限です。
葉は更新しますが、落葉は足元に落ちるだけで落葉樹のように飛散して迷惑かけることもありません。
機能的にも遮蔽、防風、防音、防雪、バッファ、エッジ、ボスケと多くの役割を担います。

でも自分が常緑樹を扱う一番の大きな理由は、やはり雪国だからということだと思います。
先に述べたように北海道では常緑広葉樹というものがほとんどありません。
すなわちほとんどの樹木が秋に葉を落とし、冬は枝のみとなります。
しかも半年近くの間。
常緑針葉樹はそこに緑を残してくれる、雪国ではそれが何よりありがたいんですね。
そこに常緑樹があるだけでその空間の植物のシーズンが長くなり、濃い緑の上に雪が積もる景色は雪国ならではの本当に美しいシーンです。

地域ならではの植栽プランを大切にすることはそのまま地域ブランドにつながる話です。
それを原風景としてその土地を離れても心の景色として大切にされてる方は少なくないでしょう。
その土地に根付くような植栽計画、その意味の大きさと責任を忘れる事なく精進したいと思います!