デザインする中で、有効だと感じたときに築山をつくることがあります。
築山と聞くと和風庭園の中の景観技法の一つというイメージが強いかもしれませんが、実際にはもっと幅広く活かせる場面があります。
効果として築山をつくることで高低差が生まれ、平坦なものに比べ空間に奥行き感が出ます。
街中では特にこの奥行き感を感じられることが大きな意味を持ちます。
次には遮蔽効果。
隣地との境界をやんわり遮りたいということは良くあります。
隣の手入れされていない犬走り、室外機、灯油タンクなど。
隣に嫌な印象を持たれず(笑)やんわり遮りながら、築山に植えられた樹木が窓前のやわらかいフィルターとなる。
日当たりを著しく阻害するようなことがない限り、大抵はお隣からも感謝されることが多いです。
さらには植物の植栽基盤として。
植物を植えたい場所の元々の土が植栽基盤として不向きなとき、平坦に仕上げたければその悪い土を重機を使ってスキ取り、残土として処分し、新たに客土することになります。
ついつい地上部に見えるものばかりに目が行きがちですが、植栽基盤が整っていなければせっかく植えたお気に入りの植物も数年後まったく違う結果になってしまいます。
築山をつくるということは、現状地盤の状態にかかわらず、新たな植栽基盤をつくるということでもあります。
全て客土で築山つくるには土量も多くコストもかかるという時には、下地を火山灰でつくりその上に客土をします。
景観、機能面、植栽環境。
場面を間違えず使えば、非常に有効です。