個人のお庭でしばしばあるのが隣地との境界をどうするかという話。
そもそも境界に建つ壁は庭の延長と考えるのか、それとも建築外構と捉えるのかは実際グレーなところで、建物やその前の道路が古いところでは境界石が見当たらないということもよくあります。
境界は道路幅員や周辺の境界からおよその見当はつきますが、下手をするとトラブルにもなり得ます。
そうした時に有機的な材料が助けになることがあります。
どういうことか。
例えば敷地内に建つ板塀の、その下の隙間から草花が自然と広がっていたり、板塀の上から木の枝が少しはみ出してもトラブルになることは滅多にありません。
きれいに管理されていればですが。
これが無機質なコンクリートの壁が数ミリでも敷地境界をはみ出していると話は変わってきます。
人は無機質なものよりも自然の何かを見るときの方が寛容になれるのかもしれません。
また少し隙間を空けて板を張ることで、隣への圧迫感や拒否感のようなものを和らげる効果もあります。
耐久性に疑問を持たれるかもしれませんが、きちんとしたつくりの板塀ならメンテナンスしながら長く付き合えます。
経年の変化も味わいがあるし、気分転換に違う色に塗り変えることも出来ます。
何より人工物にはない、優しい質感と木の温もり。
好きですね。