‘ウッドショック’という言葉聞かれたことあるかと思います。
オイルショックになぞらえてこう呼ばれるこの現象、文字通り木材の供給が需要に追いつかないということですが、国土の3分の2が森林のこの国でなぜ木材が足らないということが起こるのでしょう。
ウッドショック自体の原因はコロナ禍での住宅ニーズの高まりや住宅ローン金利の低下以外にも、山火事や、中には中国の買い占めによるという声も聞こえます。
大元の原因はさておき、国内において考えれば今の輸入材に頼りきった仕組みや国内林業の衰退、手入れされず所有者も不明な山林、木材をとるためのスギやヒノキの単一植栽により地滑りを起こしやすくなった人工林、と単なる木材の不足では片付けられない多くの問題の現れではないかと感じます。
ヨーロッパの街並みが美しいのはその土地から削り出された石を技術とセンスで人の住む空間にデザインしているから。
日本はそれを 木 でやってきたわけです。

国内産の木が丁寧に扱われ、デザインされた日本の街並みは、国内外問わず必ず人を惹きつけます。
そこに需要が生まれ、国内の林業が活発になり、森林が正しく管理され、美しい街並みが広がる。
そういう日本であったならウッドショックとは無縁であったように思います。
